コロナ禍で視えなくなった働き方をwakuconeで可視化

今だからこそ必要な「働き方の視える化」と「業務改善への強い意志」

左から順番にデジタルビジネス推進室山本真平、水野季子、髙島 里奈
左から順番にデジタルビジネス推進室山本真平、水野季子、髙島 里奈

本記事はASCII.jpに掲載された「コロナ禍で視えなくなった働き方をwakuconeで可視化」を元に再編集したものです。

2023年03月29日
09時00分更新
文●
大谷イビサ
編集●
ASCII
写真●
曽根田元

特許取得済の技術で効率化すべき作業が明確に

NTTスマートコネクトの「wakucone(ワクコネ)」は 、働き方改革、DX推進、RPAやテレワーク導入など、多くの企業が抱える働き方の悩みを解決するクラウドサービスだ。コロナ禍で視えなくなった働き方を可視化するwakuconeのサービス概要や既存の業務可視化ツールとの違い、NTTスマートコネクト デジタルビジネス推進室 髙島 里奈氏に説明してもらった。

NTTスマートコネクト デジタルビジネス推進室 髙島里奈氏
NTTスマートコネクト デジタルビジネス推進室 髙島里奈氏

コロナ禍を経て大きく変化したように感じられる日本の働き方。出社前提だった日本企業が次々とテレワークを導入し、紙の書類やFAXをデジタル化していったこの3年間は確かに大きな変化だったといえる。とはいえ、日本経済が今後迎える少子高齢化による人手不足や国内市場のシュリンクという状況は変わらない。コロナ禍前の働き方改革ブームでテーマに挙がった長時間労働、グローバルに比べて著しく低い生産性に関しては、テレワークの導入でかえって視えにくくなったとすらいえる。
こうした課題の解決に一石を投じるのが、今回紹介するwakuconeである。wakuconeはホワイトカラーの働き方を可視化し、業務効率や生産性向上の入り口となるサービスだ。wakuconeでは従業員のPCに専用ソフトをインストールすると、インターネット経由で各PCの操作ログが収集され、独自のAIを用いて働き方を分析。Webブラウザから月次/日次のレポートを閲覧することができる。

PCの作業分析を視れば、普段使用しているアプリの利用割合等が一目でわかる
PCの作業分析を視れば、普段使用しているアプリの利用割合等が一目でわかる
開いたファイルなどもわかるので、どの作業が多いのかも視える化できる
開いたファイルなどもわかるので、どの作業が多いのかも視える化できる

レポート化される内容において、アプリやファイル、Webページごとの利用状況などが分かる。各PCで開かれているアプリとファイルの名前を視れば、時間を費やしているのが、Excelファイルを用いた事務処理なのか、PowerPointを使った企画書の作成なのか、Webサイトでの調べ物なのかまで把握できる。NTTスマートコネクトの髙島里奈氏は、「新規導入したサービスが従業員に活用されているのか、同じ業務なのに違ったツールを使用していないかなど、さまざまな情報を得られます」と説明する。

業務時間分析では従業員の業務時間や残業時間も出力される。PCの操作ログと合わせることで、長時間労働抑制のための具体的なアクションに結びつく。また、wakuconeの業務可視化において特徴的なのが、特許取得済の繰り返し作業の分析だ。同じ手順で複数のアプリやファイルをまたがった作業を複数回行なった場合、wakuconeはこの作業を繰り返し作業と認識し、フロー図としてレポートに表示する。これらの繰り返し作業を減らしたいと考える上司であれば、フロー図を視ながら作業分担や手順を見直したり、RPAによる作業の自動化を検討することもできる。

時間外労働の時間もグラフ化される
時間外労働の時間もグラフ化される
繰り返し作業の手順をフロー図で表示してくれる
繰り返し作業の手順をフロー図で表示してくれる

可視化に加えて、次の業務改善のアクションにつなげられる

PCの操作ログを収集し、分析するツールは以前から存在している。これら業務可視化ツールの中でwakuconeが特徴的なのは、単に可視化するだけではなく、業務改善に向けた具体的なアクションをAIがレポートとして自動生成してくれるという点だ。同社ではwakuconeを「プロセスマイニングツール」と位置づけているが、まさに分析した結果のレポート部分が魅力。個別の操作ログを調べなくても、月次レポートを視れば、業務改善の具体的なアクションがとれる。

wakuconeで業務を可視化すれば、ユーザー企業自身が具体的な業務改善のアクションをとれる。レポートを元に対象従業員にヒアリングを行なえば、作業内容の課題も明確化できる。そもそも業務自体が多いのか、業務と関係ない操作をしているのか、想定以上に時間をかけすぎなのかなどがわかる。

髙島氏は、「深夜作業が発生した場合など、単に作業時間が長いというだけでなく、何をやっていたのかまでわかります。そのため、部下を丁寧にケアできたというお声もいただいています。業務ヒアリング時も、口頭と記憶のみに頼るのではなく、データに基づいてスムーズにコミュニケーションが取れます」と語る。

あとは具体的なアクションをとるだけだ。業務量が多ければ、作業を分担したり、専任をつけるという施策もある。業務と関係ない操作であれば、指導を行なえば良い。想定以上に時間がかかっていれば、スキルアップの研修などを行なったり、RPAのような自動化ツールを導入するという方法もある。この辺りはテクノロジーだけではなく、自社の組織やチームでさまざまな施策が考えられるだろう。

業務改善を行なった結果、きちんと効果が上がったのかという効果測定もwakuconeで行なえる。今まで時間をかけていた業務が短時間で終わるようになれば、施策が効を奏し、生産性が向上したことになる。期待した効果が出なかった場合は、また可視化から仮説を導き、改善策を試し、効果を測定するというサイクルを回せばよい。

IT資産管理やセキュリティリスク分析、印刷作業分析なども搭載

wakuconeは働き方の可視化のみならず、IT資産管理やセキュリティリスク分析、印刷作業分析などの機能も持っている。これらはポイントを絞って表示しているが、顧客のヒアリングに基づき、必要充分な機能は備えているという。

IT資産分析では、対象PCのOSやスペック、ウイルス対策ソフトのバージョンを一括管理できる。また、セキュリティリスク分析ではUSBメモリやオンラインストレージにアップしたファイルを検出することが可能だ。さらに印刷作業分析では、ペーパーレス化を実現すべく、紙の出力枚数などをレポートする。

IT資産や印刷のレポートは基本的に視るだけだが、USBメモリだけはPC単位で利用制限が行なえる。「今までNTTスマートコネクトでは、外部からの脅威を防ぐ製品やサービスを展開してきましたが、wakuconeのUSB制御に関しては内部漏えい対策として機能します」(髙島氏)。実際に、業務ファイルやダウンロードした動画をUSBメモリに保存したことを検知し早期に対処できた事例 もあるとのことで、具体的な効果を得られるセキュリティ機能といえる。

オンラインストレージやUSBメモリへのファイル保存などをリスクとして報告
オンラインストレージやUSBメモリへのファイル保存などをリスクとして報告
USBメモリに関しては読み書きの制御まで行なえる
USBメモリに関しては読み書きの制御まで行なえる

とはいえ、wakuconeのメインはあくまで業務の可視化や業務改善に向けたレポート機能だ。「情報漏えいやセキュリティに焦点を当てた既存のツールと比べ、業務改善をメインに据えるというコンセプトが他社のサービスと大きく違うと思っています。操作ログ収集だけでなく、業務改善に活かせる自動コメントを表示したり、RPAツールを導入する前の業務洗い出しに使ったり、『どこを改善すればいいのかわかりやすい』とご評価いただいています」と髙島氏はアピールする。

膨大な繰り返し作業、休日や夜間の残業、業務で意図しないPCの利用、印刷の無駄など、wakuconeで視えるのは必ずしも、経営者やマネージャーが歓迎する内容ではない。「提案したお客さまからは『丸視えですね』とは必ず言われます(笑)」と髙島氏。しかし、多くの日本企業で必要なのは、まさに働き方を丸視えにすることなのではないだろうか? 実際にwakuconeで丸見えとなった働き方から目をそらさず、業務改善を実現した事例は数多くあるという。次回はwakuconeで業務改善を実現した事例を紹介してもらう。

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